Bitcoinの歴史

Bitcoinの技術的な側面以外はこのサイトの扱う範囲外だが、その歴史には個人的に興味があるのでここにまとめる。

Bitcoin以前の暗号通貨

中央を持たない電子通貨の構想は80年代にまでさかのぼる。匿名の電子通貨として、Chaumブラインド署名(英語版Wikipedia)などをベースとした物がいくつか考案されたものの、これらは仕組みの上で中央を排除するに至らなかったため、広く普及することはなかった。

こういった中、1998年、Wei Daiが「b-money」(原文Bitcoin Wikiの記事、どちらも英語)で、計算的パズルを解くことで、中央を持たずとも全体の合意を形成するといった構想を提唱する。しかしながら、これは具体的な実装に欠いていた。

2005年、Hal Finneyは「reusable proof of work」で、Wei Daiのb-moneyとAdam BackによるHashcashを組み合わせるに至るが、未だ、ネットワークが信頼できるノードのみから構成されているという前提の下にしか成り立たないものであった。

問題は、これらのシステムは一人の攻撃者が複数のノードに成りすます事で容易にネットワーク全体を乗っ取ることが可能だという事だった。

Bitcoinの登場

Satoshi Nakamotoは2007年からBitcoinの開発に取り掛かったしている。

Bitcoinは、2008年、Satoshi Nakamotoを名乗る人物ががThe Cryptography Mailing List(metzdowd.com)上に、論文(PDF)を投稿したことから、はじめてインターネット上に登場した。彼は論文の中で、極めて単純な仕組み・ブロックチェーンを用い、上述の仮想通貨の試みでは失敗していた、攻撃耐性のある二重消費防止を実現した。2009年彼は、後にSatoshi Clientとして知られる初の実装をリリースした。はじめのクライアントは現在のようなQtを使ったものではなく、Windowsネイティブアプリケーションであり、コマンドラインインターフェイスは持っていなかった。

彼は、その後引き続き開発とフォーラムへの投稿を続けたが、2010年中頃に他の開発者に開発を引き継ぐとともに、インターネット上から姿を消した。

受容と価格の上昇

はじめ、Bitcoinの価格はほぼ0であり、2011年7月の一時的な高騰などを経つつも、ほぼ変化のない近い状態で推移してきた。 しかしながら、2013年3月ごろに発生したキプロス危機に端を発し、急激に注目されるようになった結果、一時的に1 BTC = 1000 USD台までの値をつけた。その後、Mt.Goxの破綻や中国におけるBitcoin規制などを要因に、最高値の半額以下まで値崩れを起こすも、現時点(2014年中旬)では1 BTC = 500〜600 USD程度にて取引されている。

Bitcoinを取り巻くスキャンダルとは裏腹に、Bitcoinを支払い手段として受け入れる企業などは確実に増加してきている。

米ネット家具通販大手のOverstock.com(2014年1月、Wired(英語))、米ネット旅行会社大手のExpedia(2014年6月、BBC(英語))、米コンピュータ会社DELLによる直販サイトDell.com(2014年7月、WSJ(英語))などが、次々とBitcoinによる支払いを受け入れ始めている。

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