Bitcoinの派生通貨
Bitcoinの派生通貨は数え切れないほど存在するが、その多くはほとんど名前だけを変えただけの代物で、正直Bitcoinバブルが終わった後に残るとは思えない物である。
しかし、その中でもいくつか、比較的有力で今後も生き残りうると思われるものが存在する。ここでは、そのような中で主要な物を紹介する。
Litecoin
Litecoinの主要なBitcoinからの変更点は、Bitcoinで用いるハッシュ関数をSHA-256からscryptに変えたことぐらいである。しかしながら、多くの他の(ほぼ名前を変えただけの)暗号通貨のベースとなっており、Monacoinなどもこのうちの1つである。
採掘によって利益を上げるという観点からいけば、SHA-256に対するマイニングは既に専用ハードウエアが存在していて、大規模な投資をしないと見返りが期待できないのに対して、scrypt系の暗号通貨では未だGPGPUによる採掘が主流で、いくらか見返りの期待できる状況であり、そういった要因がこれらの派生通貨を延命させている。 しかし、Litecoinはまだしも、Litecoin系の他の派生通貨が今後共使われ続ける可能性は、現時点では極めて低いと言わざるをえないだろう。
Peercoin
対して、Bitcoinに対してより根本的な改善が図られており、技術的な観点のみでいえば、Bitcoinに取って代わる可能性が十分にあるのがPeercoinである。 Peercoinにおいては、BitcoinのProof-of-workモデルに加えて、Proof-of-stakeと呼ばれる新たな方法がブロックチェーンの生成に用いられている。このことにより、Proof-of-workモデルにおける、ネットワーク維持のための莫大なエネルギー消費や、51%問題(ネットワークで攻撃者が51%を超えるハッシュ探索能力を得ると、Bitcoinの仕組みで解説した、攻撃者とのブロックチェーンの伸ばし合い競争に攻撃者が勝ってしまう問題)などのいくつかの重大な問題が解決されている。Peercoinは少ないエネルギーでネットワークを維持することができ、Proof-of-stakeによって、(Bitcoinの供給量上限とは異なって)年率1%のインフレーションが実現されている。
(加筆予定)
Ripple
Mt.Goxの創設者としても知られるJed McCalebらによって開発された、Bitcoinの仕組みを背景とした新たな支払いシステムがRippleである。
Ripple Labsが全ての通貨の発行と分配を引き受けている点や、二重支払いの防止をProof-of-Workによる仕組みでなく合意(Consensus)モデルによって行っている点などが異なる。
Ethereum
直接のアプリケーションではなく、ブロックチェーンの仕組みを用いたアプリケーションのプラットフォームとなる事を目的としているのがEthereumである。
Ethereumを使うことで開発者は、Ethereumのブロックチェーンを使った様々なアプリケーションを開発することができ、自前でこれらを全て構築した場合に生じる様々な問題を回避することができる。
(加筆予定)
Twister
これは通貨やそれに類する物ではない。Twisterは、TwitterライクなマイクロブログをP2P上に実現するソフトウエアである。
主には分散ハッシュテーブル(Distributed Hash Table)を用いてつぶやきのルーティングなどが構築されている。
ブロックチェーンは、「ユーザー登録」相当の機能を実現する為に利用されている。
BitcoinとBitTorrentの仕組みを用いた、という点が過度に強調されがちであるが、ブロックチェーンの利用は極めて限定的であり、必須とは言えないだろう。また、マイニングのインセンティブとしてマイナーに広告を表示する権利を与えるとしているが、このような仕組みがうまく機能するかどうかは不明である。
「Bitcoinの歴史」につづく